歯列矯正治療中に、顔のたるみが気になる、あるいは将来的にたるみたくない、と考える方は多いでしょう。矯正治療そのものが直接たるみを引き起こすわけではありませんが、治療中の生活習慣によっては、たるみを助長してしまう可能性があります。そこで、たるみ予防も意識した、歯列矯正中の生活習慣のポイントをいくつかご紹介します。まず、最も大切なのは「バランスの取れた食事と正しい咀嚼」です。矯正装置に慣れるまでは、柔らかいものを中心とした食事になりがちですが、いつまでもそればかりでは、咀嚼筋(物を噛むための筋肉)が衰えてしまいます。咀嚼筋の衰えは、フェイスラインのたるみに直結します。装置に慣れてきたら、徐々に通常の食事に戻し、しっかりとよく噛んで食べることを意識しましょう。左右均等に噛むことも、顔の筋肉のバランスを保つためには重要です。また、タンパク質やビタミン、ミネラルなど、肌の健康を維持するために必要な栄養素をバランス良く摂取することも、たるみ予防には不可欠です。次に、「表情を豊かに保つ」ことです。矯正装置をつけていると、口元を気にしてあまり笑わなくなったり、会話が減ったりして、表情が乏しくなりがちです。しかし、表情筋は使わなければ衰えてしまいます。意識して口角を上げたり、目を見開いたり、様々な表情を作るように心がけましょう。前述した表情筋トレーニングを日常に取り入れるのも非常に効果的です。そして、「十分な睡眠と規則正しい生活」も、肌のターンオーバーを正常に保ち、たるみを防ぐためには欠かせません。睡眠不足や不規則な生活は、ホルモンバランスの乱れや血行不良を引き起こし、肌の老化を早める原因となります。また、ストレスも肌には大敵です。矯正治療中のストレスを上手に発散し、リラックスできる時間を持つようにしましょう。さらに、「紫外線対策と保湿ケア」といった基本的なスキンケアも重要です。紫外線は、肌のコラーゲンやエラスチンを破壊し、たるみの大きな原因となります。日中は日焼け止めをしっかりと塗り、帽子や日傘も活用しましょう。また、肌が乾燥すると、小じわが目立ちやすくなり、それがたるみに繋がることもあります。化粧水や乳液、クリームなどで十分に保湿し、肌のバリア機能を高めることが大切です。これらの生活習慣は、歯列矯正中に限らず、美しく健康な肌を保つために常に意識したいポイントです。
たるみ予防も意識した歯列矯正中の生活習慣