歯列矯正を検討する際、多くの方が気になるのが治療にかかる費用と期間でしょう。特にマウスピース矯正は、比較的新しい治療法ということもあり、その実態が見えにくいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。後悔しないためには、これらのデメリットとなり得る側面についても、事前にしっかりと理解しておくことが重要です。まず費用についてですが、一般的にマウスピース矯正は、従来のワイヤー矯正と比較して高額になる傾向があります。これは、オーダーメイドのマウスピースを多数製作する必要があることや、治療計画の立案に専用の3Dシミュレーションソフトなど高度な技術が用いられることなどが理由として挙げられます。具体的な費用は、症例の難易度、治療範囲(部分矯正か全体矯正か)、使用するマウスピースの種類や枚数、そして歯科医院によって大きく異なりますが、数十万円から百万円を超えることも珍しくありません。また、治療費以外にも、初診料、検査料、診断料、毎月の調整料(マウスピースのチェックや交換)、そして治療終了後の保定装置(リテーナー)の費用などが別途かかる場合があるので、総額でいくらになるのかを事前にしっかりと確認しておく必要があります。次に治療期間ですが、これも症例によって大きく異なります。比較的軽度な歯並びの乱れであれば数ヶ月で終わることもありますが、複雑なケースでは2年以上かかることもあります。そして、ここで注意したいのが、マウスピース矯正のデメリットの一つでもある「患者さんの協力度」です。指示された装着時間を守らなかったり、マウスピースの交換を怠ったりすると、計画通りに歯が動かず、治療期間が当初の予定よりも大幅に延びてしまう可能性があります。ワイヤー矯正のように装置が固定されていない分、患者さん自身の努力が治療期間を左右すると言っても過言ではありません。また、途中で虫歯や歯周病が見つかると、そちらの治療を優先するために矯正治療が一時中断され、結果として期間が延びることもあります。マウスピース矯正を始める前には、複数の歯科医院でカウンセリングを受け、ご自身の歯並びの状態、治療計画、そして費用と期間の見積もりを詳細に説明してもらいましょう。そして、メリットだけでなくデメリットもしっかりと理解した上で、納得のいく治療法を選択することが、後悔のない歯列矯正への第一歩です。
マウスピース矯正で後悔しないための費用と期間のリアル