歯列矯正治療中の大きな悩みの一つである口内炎。できてしまうと食事も会話も楽しめず、本当に辛いですよね。しかし、いくつかのポイントを押さえることで、口内炎の発生を予防したり、症状を軽減したりすることが可能です。ここでは、矯正ライフを少しでも快適に過ごすための、口内炎予防のコツをご紹介します。まず最も基本的なことは、口腔内を常に清潔に保つことです。矯正装置の周りは食べ物のカスが残りやすく、プラーク(細菌の塊)が付着しやすい環境です。このプラークが原因で粘膜に炎症が起き、口内炎ができやすくなることがあります。毎食後、そして就寝前には、丁寧な歯磨きを心がけましょう。歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやタフトブラシ、デンタルフロスなどを活用し、ブラケットの周りやワイヤーの下など、汚れが溜まりやすい部分を意識して清掃することが重要です。また、定期的な歯科医院でのクリーニングも、自分では落としきれない汚れを除去し、口内環境を整える上で非常に効果的です。次に、矯正装置による物理的な刺激を和らげる工夫です。矯正装置が頬の内側や唇、舌などに当たって痛い場合は、歯科医院で渡される矯正用ワックスを上手に活用しましょう。ワックスを米粒程度の大きさに丸め、痛みを感じる装置の部分を覆うようにしっかりと貼り付けます。これにより、装置と粘膜の直接的な接触を防ぎ、摩擦による刺激を軽減することができます。特に、矯正治療を開始したばかりの時期や、ワイヤーを調整した直後など、装置が口に馴染んでいない時は、積極的にワックスを使用することをおすすめします。食事内容にも気を配りましょう。熱すぎるもの、辛すぎるもの、酸味が強いもの、硬いものなどは、口の粘膜を刺激し、口内炎を誘発したり悪化させたりする可能性があります。できるだけ刺激の少ない、柔らかく消化の良い食事を心がけると良いでしょう。また、栄養バランスの偏りも口内炎の原因となることがあります。特に、ビタミンB群やビタミンCは粘膜の健康維持に役立つと言われていますので、野菜や果物を積極的に摂取するよう心がけましょう。最後に、十分な睡眠と休息を取り、ストレスを溜めないことも大切です。体の免疫力が低下すると、口内炎ができやすくなると言われています。規則正しい生活を送り、心身ともに健康な状態を保つことが、口内炎予防にも繋がります。